プレミアムブランドのリンツもゴディバも参入、「ドバイチョコ」ブームが止まらない"時代の必然"

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ドバイチョコレートを取り扱い始めたプレミアムブランドは、冒頭で紹介したリンツだけではない。高級チョコレートの代名詞・ゴディバはすでに「ドバイスタイル」のチョコレートを中東やイギリスで販売しており、話題となっている。

ベルギー・ブリュッセルにある旗艦店では、2月27日から3月2日まで、ドバイチョコレートからインスパイアされた「ストロベリーディッピング」(生のいちごのチョコディップ)を発売して、話題を呼んだ。日本でも販売する可能性はあるのか。

ベルギー・ブリュッセルのゴディバの旗艦店で販売された「ストロベリーディッピング」はドバイチョコレートからインスパイアされた商品(写真:ゴディバジャパン提供)

ゴディバ・ジャパンに話を聞くと、やはり販売が予定されていた。「ゴディバは日本でさまざまなカテゴリーの商品を手がけています。幅広い展開ができますので、多くの可能性があります。近いうちにみなさまにお知らせできると思います」とのこと。

パンやドリンク、焼き菓子、アイスクリームなど、多彩な商品を展開するゴディバだけに、日本でちょっと意外な形の「ドバイチョコ」が登場するかもしれない。話題となりそうだ。

現代を象徴するチョコレートトレンド

グルメ界隈からでもブランド発信からでもなく、SNSユーザーから火がついたチョコレート。流行を牽引したのが消費者の投稿であり、それが世界のチョコレートブランドに影響を与えた点が面白い。

ASMR系動画の人気もブームを後押ししている。ザクザク・パリパリという音はとくにASMR系動画との相性がよく、視覚・聴覚にも訴えることでチョコレートに新たな価値を加えた。録音機材やデバイス、アプリの進化も背景にある。“新感覚の面白い体験”が集約されたチョコだったことが時代にマッチした。

今後もSNSを起点とした新たなトレンドが生まれるだろう。しかし、現代の流行の移り変わりは速い。新しいもの好きな日本人の間でドバイチョコブームがどれほど続くのか。おいしさゆえにゆくゆくは定着するのか。プレミアムブランドも本腰を入れ始めた中で、現代の消費動向を象徴するムーブメントといえるドバイチョコレートの真価が試されることになりそうだ。

市川 歩美 チョコレートジャーナリスト/ジャーナリスト

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いちかわ あゆみ / Ayumi Ichikawa

大学卒業後、民間放送局に入社、その後NHKで、長年ディレクターとして番組企画・制作に携わる。現在はチョコレートを主なテーマとするジャーナリストとして、日本国内、カカオ生産地などの各地を取材し、情報サイト、TV、ラジオなど多くのメディアで情報発信をしている。チョコレートの魅力を広く伝えるコーディネーターとしても活動。商品の監修や開発にもかかわる。

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