この「大きめの野菜を食べられる」特徴と、ビジュアルコンセプトに掲げていた「フェスの雰囲気」が好評だったため、「大鍋で調理をしてシェアする、新たな料理を和食で」と考えたとき、豚汁が浮上したという。

しかし、前身となったカレー専門店campには課題があった。収益性が低かったのだ。その大きな要因は、オペレーションの煩雑さ。野菜ごとに、個性ある食感を残そうと異なる方法で加熱をしていたため、複数のオーダーが入ったときに作業が複雑になり、提供時間の遅れや回転率の低下を招いていた。
「味はおいしかったのですが、システムに乗せたときに長所が発揮されにくい業態でした。かといって効率化してしまうと味の個性が弱くなってしまう。そこでごちとんは、オペレーションをシンプル化して提供スピードを上げることと、味との両立にこだわりました」。(以下、「」内はすべて中島社長)
そして実現した、昼時でも超速な提供
実現したスピードは、提供までおおよそ2~5分。campの半分以下で提供できる仕組みはこうだ。
まず、野菜は大きめにカットして1回蒸しあげ、煮崩れしないよう種類ごとに仕切った大鍋へ。味噌の入った「味味噌(あじみそ)」と言われる特製スープで長時間煮込む。豚肉も野菜とは別に、この「味味噌」で煮込まれる。

次に、豚汁のベースとなるスープと、ラーメン店でいう「かえし」のような合わせ調味料を、麦味噌、米味噌それぞれに用意。オーダーが入った後にベーススープとかえし、具材を合わせて完成となる。
こうすることで、2つの味噌のバリエーションをスピーディに提供できるとともに、味噌の加熱は最小限に。麹の風味を最大限に引き出せるという。
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