平均2分で提供「かつやの姉妹豚汁店」の凄さとは? 千円以下で健康的な食事が取れる「ごちとん」の超速オペレーションの裏側

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この「大きめの野菜を食べられる」特徴と、ビジュアルコンセプトに掲げていた「フェスの雰囲気」が好評だったため、「大鍋で調理をしてシェアする、新たな料理を和食で」と考えたとき、豚汁が浮上したという。

ごちとん
大鍋で煮込んでシェアすることも、コンセプトのひとつ(写真提供:アークランドサービスホールディングス(株))

しかし、前身となったカレー専門店campには課題があった。収益性が低かったのだ。その大きな要因は、オペレーションの煩雑さ。野菜ごとに、個性ある食感を残そうと異なる方法で加熱をしていたため、複数のオーダーが入ったときに作業が複雑になり、提供時間の遅れや回転率の低下を招いていた。

「味はおいしかったのですが、システムに乗せたときに長所が発揮されにくい業態でした。かといって効率化してしまうと味の個性が弱くなってしまう。そこでごちとんは、オペレーションをシンプル化して提供スピードを上げることと、味との両立にこだわりました」。(以下、「」内はすべて中島社長)

そして実現した、昼時でも超速な提供

実現したスピードは、提供までおおよそ2~5分。campの半分以下で提供できる仕組みはこうだ。

まず、野菜は大きめにカットして1回蒸しあげ、煮崩れしないよう種類ごとに仕切った大鍋へ。味噌の入った「味味噌(あじみそ)」と言われる特製スープで長時間煮込む。豚肉も野菜とは別に、この「味味噌」で煮込まれる。

ごちとん
野菜は「味味噌」で約2時間煮込まれる(写真提供:アークランドサービスホールディングス(株))

次に、豚汁のベースとなるスープと、ラーメン店でいう「かえし」のような合わせ調味料を、麦味噌、米味噌それぞれに用意。オーダーが入った後にベーススープとかえし、具材を合わせて完成となる。

こうすることで、2つの味噌のバリエーションをスピーディに提供できるとともに、味噌の加熱は最小限に。麹の風味を最大限に引き出せるという。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事