わくわくして目覚める生活を、誰にでも! 医学博士 石川善樹×リクナビNEXT編集長 細野真悟

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今年の2月にリクナビNEXTが開催したグッド・アクション。社員の働きやすい環境づくりに取り組むさまざまな企業の取り組みに焦点を当てたことで、各方面から大きな反響があった。 第2回開催に向けた「グッド・アクションへの道」連載では、注目のキーパーソンに働きかたについて聞いている。グッド・アクションは今年度より「ウェルネス部門」を新設したこともあり、今回は、いま注目度急上昇の医学博士、石川善樹先生にご登場いただいた。
ダイエットに関する書籍や、オフィスワーカーの健康への取り組みに注力されるなど、マルチに活躍されている石川先生。「予防医学の分野はめちゃくちゃ面白いですよ!」と言い切るその言葉の意味は?リクナビNEXT編集長細野氏が突っ込んで聞いてみた!

あふれ出る事例に、的確な解説
働く人に必要な健康へのキーワード

細野(リクナビNEXT編集長細野真悟、以下細野)まず最初に、予防医学とは具体的にどんな研究ですか?

石川(医学博士石川善樹、以下石川)予防医学は、健康的な状態を目指す学問です。朝ワクワクして目が覚めて、夜は充実した状態で眠りにつく。その状態をずっとキープするのが目的です。でも現代人はそうではないですよね? 朝、疲れがとれないまま目覚めて、1日のスタートを切っている。その悪循環を正すサポートをするための研究ですね。

そして健康を保つうえで基本中の基本なのが、「衛生」です。これはとても大事なことで、「トイレの後はちゃんと手を洗いましょう」という当たり前のこともそのひとつ。

石川善樹
1981年生まれ。予防医学研究者・医学博士。
東京大学医学部を経て、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。株式会社キャンサースキャン、株式会社Campus for Hでイノベーションディレクターを務めるほか、さまざまな企業で働く人の健康を考えた取り組みをサポート。著書『友だちの数で寿命はきまる』『最後のダイエット』(両書ともマガジンハウス)

石鹸でちゃんと手を洗わないと、菌が人に移ります。たとえば、上司が手を洗わずに部下にふれたとします。すると、部下からその子供に何かの菌が移ります。後日、その部下が子供の発熱のために休みをとったとしたら、それは誰のせいだと思いますか?

細野 上司ですよね(笑)。

石川 そうなんです。あらゆる業界のビジネスパーソンと接していて気づいたのですが、要職にあるような偉い人ほど、丁寧に手を洗っているんですよ。ある大企業の元会長は、トイレで爪の先から手首まで洗っていました。なぜそこまでちゃんと手を洗うのかを聞くと、「社会人として当然のマナー。基本的なことをちゃんとしないと、自分にもまわりにも迷惑をかける」というのです。

ゴールドマン・サックス社のトイレには、「ちゃんと手を洗いましょう」と書いてありました。アメリカでは、小学校で咳やくしゃみの仕方を教えます。咳やくしゃみをするときは、手のひらではなく、ひじを曲げて口に近づけ、ひじの裏のくぼみに当てるんです。手でおさえると、それで何かを触ったときに菌が移ってしまうでしょ。本来、手を洗うなどの基本的なことは、子供の頃に習うことですが、大人になるにつれ、疎かにされているように思います。

細野 働く人の健康はパフォーマンスに直結します。効果的な施策ってありますか。

細野真悟
株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT編集長
リクナビNEXTのシステム開発、営業販促、新規事業開発を経て現職。日本e-learning大賞2012にて経済産業大臣賞も受賞。プライベートでは音楽コラボアプリ「nana」のサービス開発にも携わる。

石川 いまだに、オフィスでラジオ体操をしたり、運動会を開催したりする企業がありますよね? そうしたことが、企業と社員にどんなメリットがあるのかを調べてみたところ、「ストレス軽減」「パフォーマンスを上げる」の両面においては、それだけでは影響がないことがわかったんです。

また、意外にも、軽い掃除を習慣化させるのはいい効果があるようです。気軽に取り組めて掃除しながら社員同士のコミュニケーションが生まれることが、仕事のしやすさに寄与するからでしょうか。

細野 昨今、社員のウェルネスにまじめに取り組む企業が増えていますが、その傾向についてどうお考えですか?

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