欧州の新型車が集結「列車のテストコース」とは? 各国の鉄道技術支えるチェコの巨大な「周回線」

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テストコースというと、厳重な柵や塀で囲われ、中を見ることは限りなく困難に近いというイメージがあるが、ここは周回線のある脇の農道をトラクターが走り、森を住民たちが散策している。撮影していると住民たちが「何か珍しいものは見られたか?」などと聞いてくるし、TGVの新型が運び込まれた時には、本国フランスから熱心なファンが訪問していた。

TGV-M ヴェリム到着
遠路フランスよりヴェリムに到着したTGV-M(撮影:橋爪智之)
TGV-M
TGV-Mは大きな注目を集め報道陣も訪れていた(撮影:橋爪智之)
【写真】営業運転では絶対に見られない「パンタグラフ付き」ワルシャワ地下鉄の電車。試運転のために本来は搭載していない仮のパンタグラフを取り付けて走った

新車の「承認試験」ができる場所

公式の登録上は、長年にわたって側線(駅構内の留置線と同じ)という扱いであったが、2017年4月1日の鉄道法改正により、チェコ共和国初の「テストトラック(試験周回線)」として登録されることになった。

ヴェリム試験センター 引き込み線
ヴェリム駅へとつながる引き込み線(右)(撮影:橋爪智之)

テストトラックとは、「鉄道車両の試験運転、または鉄道車両および鉄道インフラの型式承認または型式変更のための試験の実施に特に役立つ線路」として新たに定義されたもので、試験周回線における公認証発行に関する決定において、この軌道上での鉄道車両の試験運転、鉄道車両の型式承認試験または鉄道インフラの型式変更試験を実施することができる線路として公式に認められた。

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