「だんごは自分で焼く」「ぜんざいやあんみつ等の甘味も大充実!」  静かに拡大中、コメダ運営の甘味処「おかげ庵」は一体何が凄いのか?

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これら含め昔ながらの甘味処を巡っていると、あんみつやぜんざいなどの甘味のみならず、うどんやおでん、雑炊といった食事メニューが揃っていることが甘味処の1つのフォーマットになっていることがわかる。「おかげ庵」も、こうした甘味処のフォーマットをなぞってメニューを構成しているのではないだろうか。 

昔ながらの甘味処をインスパイアした幅広いメニュー構成によって、「おかげ庵」は客層を選ばない業態に仕上がっている。 

実際に先述の甘味処を何度か訪れる中で、客層の幅広さが目についた。「みはし」の上野本店では、近くの美術館帰りのようなマダムたちがあんみつやぜんざいを食べながらおしゃべりに興じ、外回り中か一人でサクッとあんみつを食べていくサラリーマン、おでんと茶飯を食べた後にデザートとしてあんみつを楽しむおじいちゃん、デート中の若いカップルなど……老若男女が違和感なく交ざり合っていた。新宿の「時屋」も同様だ。

やはりおしゃべりとあんみつを楽しむ女性グループから、買い物帰りの高齢者、歌舞伎町で夜の仕事をしていそうな人、ブランド物で固めた経営者風の男性、仕事の打ち合わせをしているビジネスマンのグループも見かけたことがあり、新宿という街のカオス感がこの空間に凝縮されていた。 

甘味処は、誰にとっても入りやすい。「和なもの」「日本に昔からあるもの」の認識があるので、最近のカフェのようなオシャレさやトレンドが苦手な男性や高齢層にも抵抗がないし、逆に新しもの好きな若い人には「レトロ」と映って新鮮なのかもしれない。

甘味から食事まであるので、小腹が空いて甘いものを食べたいときからしっかり食事でお腹を満たしたいとき、はたまたお茶だけでも大丈夫だ。特定の層を排除することなく老若男女を包み込む懐の広さ、これが甘味処の魅力と言えるだろう。 

【本文中で紹介しきれなかった画像も!】「だんごは自分で焼く」「ぜんざいやあんみつ等の甘味も大充実!」 おかげ庵はこんな感じ

「おかげ庵」は甘味処を現代流に解釈した「ネオ甘味処」だ 

現在、飲食業界では大手チェーン含め、なんでもある「総合型」よりも何かに特化した「専門型」の業態でターゲットを絞る傾向にある。そんな中「おかげ庵」は甘味処をインスパイアすることで老若男女を取り込む店づくりを行っている。 

昔ながらの甘味処をそのまま再現するのではなく、コメダらしくアップデートしているのが「おかげ庵」だ。甘味処を現代流に解釈した「ネオ甘味処」と言ってもいい。

自分で焼くだんごはまさにイマドキな体験価値を打ち出すメニューだし、和フレーバーのシロノワールや「名古屋めし」である鉄板ナポリタン、うどんの代わりにきしめんを出しているところにもコメダの色が表れている。

老若男女、多様な人を排除せずに包み込む「おかげ庵」、今後の拡大にも期待ができそうだ。 

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大関 まなみ フードスタジアム編集長/飲食トレンドを発信する人

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おおぜき まなみ / Manami Ozeki

1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月より飲食業界のトレンドを発信するWEBメディア「フードスタジアム」の編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100人の飲食店オーナーを取材する。
Instagram:@manami_ohzeki

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