
登校している子がうらやましい
親は、子どもが将来苦労しないように、自分の親から教えてもらったことや育児書を頼りに子育てをします。それでうまくいく場合もありますが、裏目に出てしまうこともあります。今回ご紹介する真由美さん(仮名、47歳)はその壁にぶつかったお母さんのひとりです。
真由美さんには2人のお子さんがいます。上のお子さん(男の子)は小学校高学年から中学校卒業まで、下のお子さん(女の子)は小学校の2年間と中学生になった今も不登校です。
「上の子は小学5年の頃から学校に行けない日が増えてきて、中学校では別室登校。給食を食べに行くだけの日もありました。家でもふさぎこんでいる様子で、学校に行けない自分を責めていましたね」
真由美さんは息子さんを学校に行かせようと必死でした。朝起きてこない息子さんを何度も起こし、車で学校に連れて行く日もありました。しかしそんな中、今度は娘さんのほうも小学校に行けなくなったのです。
「兄妹ふたりとも不登校になるなんてショックでした。最悪だなって。周りの子たちは元気で学校に行っているのに、なぜうちの子だけ行けないんだろうって。制服姿の生徒さんを見ると胸が苦しくなって涙がこぼれました。学校に行っている子たちが心底うらやましかったです」
私が真由美さんに出会ったのはちょうどそんな頃でした。

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