「世間体との闘い」2児の不登校で手放した親の見栄、“頑張る”をやめたことで母は子どもの才能に気づいた

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「ランさんに出会って不登校の話を聞いた時、愕然としました。私は子どもを見ないで世間体を気にしていたんです。一般的にいい子と言われるような子どもに育てようとしてたんだなって」

真由美さんは、お子さんが小さな頃から育児書を熱心に読んでいました。そして、年齢に応じたことができるようにしなければとか、大きくなってから困らないように先取りしておかなくてはなどと一所懸命でした。

早いうちからスイミングをさせたり、将来英語でつまずかないように低学年から習わせたりしたのも、そうした考えから。とにかく他の子ができることを、自分の子どももきちんとできるように親が導いてやらないと……と思っていたようです。

しかし、結局それは、真由美さんが世間の目を気にしていただけということに本人が気づきます。

「私が世間体や周囲の目を気にするのは、母の子育ても影響していると思います。『勉強はできたほうがいい』と言われ、私は母に喜んでもらいたくて勉強しました。『結婚も収入が安定した人としなさい』と言われ、親の期待に沿う人と結婚しました。私はずっと、親の考えを軸に生きてきたんです。それが染みついていると思います」

子どもの話を聞くとイライラする

自分の気持ちを無意識に抑えて親の期待にこたえる。真由美さんの習慣ともなっている思考パターンは、お子さんとの関係の中でもかたちを変えて表れてきます。

「娘の話を笑って聞けないんです。不登校の娘は学校に行けなくても家では元気なんです。それはありがたいことかもしれませんが、学校に行っていないのに楽しそうに“推し“の話をしているのを見るとイライラするんです。私のイライラをぶつけてはいけない……娘の話をちゃんと聞いてやらねば。そう思うと苦しくてたまりませんでした」

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