
介護・医療保険の抜け穴について解説します(写真:ふじよ/PIXTA)
もし自分の親が、日々の生活で困りごとが出てきているのにもかかわらず、「介護を受けたくない」と譲らなかったらどうしますか?
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)が、“在宅ケアのいま”を伝える本シリーズ。
今回のテーマは、「意外と知られていない、介護と医療制度の抜け穴」。エピソードを元に、いざというときに使える制度のポイントについて解説する。
「自分はまだまだ元気」は本当か?
83歳の男性Aさんは、筆者の知人の父親です。大きな病気は患っていないものの年齢とともに足腰が弱り、転倒することが増えていました。
さいわい大きなケガをすることなく過ごしていますが、本来は介護保険を使って定期的にリハビリを受けるなどして、体の機能が低下しないよう努めたほうがいい状態です。
しかし、「自分はまだまだ元気」とみじんも疑っていない本人は、「俺は介護を受ける状態じゃない」「介護保険の世話になる必要はない」と言い張っているそう。父親の今後が心配な知人は、「家族は介護サービスを受けてほしいのに、本人が受け入れなくて困っている」と、ため息をついていました。
実は、こうしたケースはよく見られます。
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