邪道だった「パスタっぽいラーメン」ブーム化の訳 続々と店が増える一方で、有名店主からは警鐘も 

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フレンチ出身のシェフ・長坂将志さんが繰り出すオマール海老の旨味あふれる一杯に、連日行列が途切れることはない。そんな「海老丸らーめん」も開店から半年は閑古鳥の鳴くお店だった。

京橋にある有名フレンチレストラン「シェ・イノ」で修業し、2014年西麻布に「エゴジーヌ」をオープン。

そのセカンドビジネスとしてラーメン店の展開を考えていた。オマール海老のビスクを作り、それをベースにラーメンを作ってみたが、これが全然ラーメンとして美味しく仕上がらなかった。

料理人としての技術は十二分にあった。しかし、スープは美味しいのにラーメンとしては全然美味しくならない。これが長坂さんの大きな壁だった。

「ここからラーメンについて徹底的に研究しました。最初のラーメンはいわゆる『ラーメンっぽさ』が足りなかったのです。そこで知ったのが『カエシ(タレ)』という概念でした。

それまではスープに味を入れて作っていましたが、どんぶりでスープとカエシが合わさることで旨味が爆発するということを知りました」(長坂さん)

店舗外観
オープン当初の「海老丸らーめん」(筆者撮影)

オープンから半年間は「大赤字」だった

オープンから半年は月200万円ほどの売り上げで大赤字。「邪道だ」「こんなのラーメンじゃない」と言われていたが、味を変えてから一変して評価がうなぎ登りに上がり、月100万円ずつ売り上げが伸びていった。

2022年4月にはお店を完全リニューアル。テーマは「コスパの良いもの」から「本当に良いもの」へ、だ。

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