NHKドラマ「脚本の完成前でも対価」に見る"覚悟" 連ドラ界を変える画期的な取り組みが始まった

『3年C組は不倫してます。』(日本テレビ)
『3000万』(NHK)
『離婚しようよ』(Netflix)
これらのドラマの共通点がわかるだろうか。
この不景気の時代に「異例の取り組み」
共同脚本体制で描かれていることである。
共同脚本とは何か――通常の連続ドラマは、メインライターがいて、その人が全話責任を持って書くことが一般的だ。ただ、スケジュール的に大変なときなど、セカンドライターが参加する。
共同脚本はそれとは違い、複数のライターが対等であり、それぞれの得意分野を持ち寄って1つの作品に取り組むことでアイデアや視点が豊かになり、精度があがり密度も濃くなることが期待できる、戦略的なやり方である。これは海外ドラマでは主流のやり方で、日本でも近年、増えてきた。
成功例もあれば、成功とはいえないものもあり、スタイルも確立されているわけではない中で、NHKのクライムサスペンス『3000万』(2024年)は好評で、ネットでも話題になり、ギャラクシー賞の2024年11月度月間賞を受賞した。
『3000万』はNHKが2022年に立ち上げたWDR(Writers' Development Room)プロジェクトから生まれたドラマ。公募で新しい才能を発掘したうえで、ライターズルーム(共同脚本)を実践するというプロジェクトの目標は、『3000万』によってまずは達成されたといえるであろう。
安定を求め、既存の人気作家や売れている原作に頼りがちなテレビドラマ制作状況の中、WDRは未知なる才能の集団である。NHKは、彼らに開発期間中もギャラを支払った。公式サイトにはこうある。
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