「脱毛サロン大手ミュゼ」社長が書面1枚でクビに 解任を通告された社長は「クーデター」を主張

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ミュゼプラチナム
関東地区に店舗を多く出店するミュゼプラチナム。経営が揺れている(写真:編集部撮影)

2025年2月10日。東京港区の台場にある脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」の運営会社本社は、物々しい雰囲気に包まれていた。

入り口には腕章をつけた複数の男性社員が立ちはだかり、中に入ろうとする人たちをシャットアウト。「中に入れろ」「いや、入れることはできない」といった押し問答が繰り広げられた。あげくの果てに社内にあった金庫を持ち出そうとする社員まで現れ、ついには警察官が呼ばれる事態にまで発展したのだ。

ミュゼを運営する「MPH」の本社に押しかけていたのは、それまでMPHの社長を務めていた三原孔明氏とその関係者数名。三原氏によれば、この日、MPHの株式を譲渡担保権の実行によって取得したとする合同会社トラストという会社から、「経営体制及び今後の運営に関するご連絡」というタイトルのFAXが送られてきていたことを知ったという。

書面の内容は、3日前の2月7日に株主総会が開かれ、三原氏を含む取締役全員が解任され、トラストの職務執行者である阿部博氏なる人物がミュゼの代表取締役に就任したというものだった。「旧取締役及び以前貴社の株主であった者らの一部又は全部による不正が疑われており」とも記されており、調査によってそれらを明らかにする考えが述べられていた。

会長が筆頭株主になったと通知

まさに寝耳に水だった三原氏は、慌てて本社に向かったという。ところが入室に必要なカードキーの権限が解除されており、中に入ることができなかった。

「事前には何も聞かされておらず、これはクーデターだと思った。このままでは、金庫に保管されていた実印を使って、さまざまな書類を勝手に作られてしまう」。そう考えた三原氏は、「社内にいた仲間に頼んで金庫を外に持ち出そうとしたところ、警察を呼ばれてしまった」と明かす。

証言どおり、取締役である三原氏のあずかり知らないところで株主総会が開かれ、しかも解任されたとなれば、まさに異常事態だ。

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