ついにアメリカと欧州の「文化大戦争」が始まった ヴァンス副大統領演説の衝撃度は計り知れない

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ドイツのミュンヘン安全保障会議に出席したアメリカのヴァンス副大統領。後から「歴史的な演説だった」と言われるかもしれない(写真:ブルームバーグ)

読者の皆様にお尋ねしたい。このジョーク、わかります? いや、笑えますか?

And trust me, I say this with all humor—if American democracy can survive 10 years of Greta Thunberg’s scolding, you guys can survive a few months of Elon Musk. 

翻訳すると、こんな具合だ。「くれぐれもこれはジョークとして申し上げるのだが、アメリカの民主主義はグレタ・トゥーンベリの説教に10年も耐えてきたのだから、欧州の皆さんもイーロン・マスクのもとで数カ月は生き残ることができるだろう」。

上記は2月14日、ミュンヘン安保会議の席上でアメリカのJ・D・ヴァンス副大統領が、欧州の首脳の前で放ったひとことである。

欧州の「無理筋アプローチ」を突くヴァンス副大統領

いや、筆者もかねてグレタ嬢の過激な発言には、「こらっ、大人をからかうんじゃない!」的な不快感を抱いていたことを白状しよう。

欧州の方々は、気候変動問題になるととかく教条的、高圧的、非妥協的、そして「上から目線」になる。そして国際会議などの席上で、「石炭火力をただちに全廃せよ!」などとおっしゃるのだが、そんなの「石炭はあるけど電力がない」新興国が、言われたとおりにするはずがないじゃないですか。

気候変動対策が不要とは言わない。だが、こんな息の長い問題に対しては、欧州勢が主張するような「直線的アプローチ」はうまくいかないものだ。「迂回アプローチ」で、「3歩進んで2歩下がる」くらいでないと続かなくなってしまう。グレタ嬢の叱責や環境活動家によるエコ・テロリズムは、地道な取り組みにはむしろマイナスになると思う。

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