離職の原因トップ3「給料が理由」は意外と少ない 「部下が離職は給料のせい」と言う上司の真意

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給料の額だけで離職率が決まるのであれば、給料が高い会社ほど離職率は低くなるはずです。ところが、給料は高くても離職率が高い会社は数多くあります(写真:mits/PIXTA)
今、多くの企業が人手不足に悩み、離職を防ぐことは喫緊の課題となっています。
しかし、複数の部下が辞めているにもかかわらず「部下の離職は自分のせいではない」と考える管理職の方も少なくありません。
こういった管理職に多くの経営者や人事職の方は頭を抱えます。
そこで、経営心理士として1200件超の経営改善を行い、経営心理士講座を主宰する、一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田耕司氏の著書『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』から一部を抜粋・再編集し、複数の部下が辞める上司の考え方の傾向と対策についてお伝えします。

「部下が辞めるのは給料が原因」と話す上司

今、募集をかけても人が採れない会社が多く、その状況で人に辞められると現場が回らなくなります。人手不足が原因の倒産は過去最多を更新し、離職は深刻な問題となっています。

離職防止の教科書: いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版
『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

私は経営心理士として、人間心理に基づいた経営改善を行っていますが、近年は「社員を辞めさせる管理職をどうにかしたい」といったご相談をよく受けます。

このご相談を受けて、その管理職の方とお話をすると、こう話される方がいらっしゃいます。

「要は給料の問題なんですよ。会社がもっと給料を払えば部下も辞めないんですけどね」

この発言には「部下の離職は給料が原因であって、自分のせいではない。なので、自分は特に改める点はない」といった意思が感じられます。

この点、厚生労働省が発表している「令和4年雇用動向調査結果の概況」における「転職入職者が前職を辞めた理由別割合」の内容は次のとおりです。

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