MLB移籍する佐々木朗希が抱える根源的なリスク 日米で急増するトミー・ジョン手術の件数

✎ 1〜 ✎ 191 ✎ 192 ✎ 193 ✎ 194
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

佐々木が一番恐れたのは、NPBで投げているうちに、靭帯を損傷してトミー・ジョン手術となることだっただろう。手術後順調に復活できればいいが、リハビリがうまくいかなかったり、復活してもパフォーマンスが低下して、MLBに挑戦できなければ、彼の「夢」は水泡に帰してしまう。そうならないうちに、一刻も早くMLBに移籍したい、そのためならマイナー契約もいとわない、という気持ちかもしれない。

(写真:筆者撮影)

ただ、そうであるならば、チーム、とりわけ彼の成長をずっと見守ってきた吉井理人監督(佐々木入団時は投手コーチ)と、そうした彼の事情、彼の気持ちについてしっかり話をしていたのか、という疑問は残る。吉井監督は、佐々木朗希の移籍騒動に際しては、否定的なコメントもしていたのだ。

結局、球団もポスティングシステムでの移籍を認め、入札の結果、ドジャースへの移籍が決まった。

球速アップと手術数の関係

ただし、そこまでの思いで移籍したにしても、佐々木朗希は、MLBに移籍して、靭帯再建手術を受けるような故障をする可能性もある。

MLBでは近年、投手が肘の靭帯を損傷してトミー・ジョン手術などの靭帯再建手術を受ける事例が急増。2023年はマイナーリーガーも含め263件の手術が行われた。これは2011年の2倍以上の数字だ(週刊ベースボールONLINE「肘のケガでエース級が相次ぐ離脱 要因についてMLB機構と選手会が対立」)。

MLBでは投手の球数は厳格に制限されている。それでも手術が急増しているのは「投球強度=球速」が上がっているからだという。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事