MLB移籍する佐々木朗希が抱える根源的なリスク 日米で急増するトミー・ジョン手術の件数

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ポスティングでの移籍はNPB球団が承認すれば、何年目でも可能ではあるが、NPBでのキャリアが「少なくとも6シーズンプレーをしたうえで、満25歳以上」でないとメジャー契約は困難だ。

佐々木朗希はNPBでは4シーズンしか投げていない。年齢も23歳であり、マイナー契約しか結べなかった。ドジャースとの契約金は650万ドル(約10.3億円)。千葉ロッテには約2.6億円程度が支払われる。オリックスが受け取った金額の27分の1である。

佐々木があえてマイナー契約を結んだのはなぜ?

なぜ、佐々木は、自身の契約金も大幅にダウンし、古巣千葉ロッテへの譲渡金も大幅に少なくなるのに、マイナー契約を結んだのか?

先日のNHK「クローズアップ現代」で、佐々木はプロ入り1年目に右ひじの肉離れを起こし、一時はトミー・ジョン手術(肘の側副靭帯の再建手術)さえ勧められる事態になったと明かした。トミー・ジョン手術は、確立された手術法であり、手術をして靭帯を再建すれば、再び投げられるようになる可能性は高いが、試合で投げられるようになるためには1年以上のブランクができる。

大谷翔平は2018年と2023年に2度の手術(2回目はインターナルブレース=人工の靭帯補強材=を移植する手術も併用)を行い、合わせて2シーズン投げることができなかった。

佐々木の場合、以後、右ひじに異常は出なかったが、肩回りのコンディション不良などもあった。

2021年からNPBの一軍で登板し、2022年には史上最年少で完全試合を達成するなど、圧倒的なパフォーマンスを発揮し始めた佐々木だが、彼の脳裏には「たったの1球で覆される(投げられなくなる)、そういう可能性があるんだ」との思いがあったという。

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