尹大統領逮捕に涙する20、30代韓国人男性の本音 再びジェンダーの争いになってきた韓国の政治
「弾劾無効」。地を這うような声が響き渡る。韓国の尹錫悦大統領が初めて憲法裁判所(憲裁)の弁論に出席した1月21日。憲裁の近くで開かれた保守派のデモには太極旗や星条旗を手にする高齢の人々に混じって20〜30代と思しき男性の姿が見られた。
「戒厳令を出した理由を理解する必要がある」
デモの後列に滑り込んだ男性は28歳。資格をとろうと大学を休学中だが、いてもたってもいられずやって来たという。
「韓国の男性には兵役の義務があります。軍では反共について教えられる。兵役に行って帰ってくると自然と保守になるんです。大統領も考えがあって非常戒厳をした」
その考えについて聞くと、「いろいろですよ」。そう短く言って参加者の高齢者から手渡された「弾劾無効」と書かれたプラカードを「大事にします」と抱えて一礼してからデモの中に入っていった。
手に星条旗を携えながらも、デモのかたまりから少し離れたところにいた青年は19歳の浪人生。祖父母から貧しかった韓国が発展したのは朴正熙元大統領のおかげだと聞かされて育ち、保守派になったという。
「123戒厳(昨年12月3日の非常戒厳令宣布)の時はすごく驚いて、なんていうことをしてくれたんだ、韓国から保守層がいなくなってしまうと思ってショックを受けましたが、しばらく情報を集めてみると、大統領は理由もなく戒厳令を宣布したのではないと思うようになりました。
野党が弾劾を乱発したせいで大統領は何もできなかったし、選挙の不正もそうです。大統領も考えがあって、戒厳令を出した。その意図を理解するだろうと私たちのような支持者を信じたのだと思っています」
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