星野代表が描く「次世代への事業承継」と海外進出 2028年ニューヨーク州に温泉旅館を開業予定

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現地メディアも注目してくれているが、それは(アメリカ人も)まったく知らない場所に日本企業が進出するからこそだと思う。有名観光地ならば、新しいホテルが1軒増えるというだけの話で、たいした話題にならないかもしれない。

シャロン・スプリングスを視察中の星野佳路氏
シャロン・スプリングスを視察中の星野佳路氏(写真:星野リゾート)

海外ビジネスはリスクにならないか?

――大きな視点で見ると、世界的な潮流として自国優先の保護主義的な経済政策が台頭している。とくにアメリカではトランプ氏が大統領に就任し、その傾向が強まると思われるが、海外への投資はリスクにならないか。

我々が手がける案件は、例えば日本製鉄による(アメリカを代表する企業である)USスチールの買収事案と同じようには受け取られないだろう。過疎化が進んだ町に投資し、雇用を創出することは、彼らにとって何もマイナスにならないからだ。

新しい施設のスタッフは大半が現地で雇用するアメリカ人だ。我々の施設とアメリカのホテルとでは働き方がまったく異なるので、彼らには開業までの間、日本に来て温泉旅館ブランドの「界」で仕事をしてもらいたいと考えている。新施設の開業は2028年を予定しているが、こうした準備が必要なことから、すでに採用を開始している。

私が思うに、アメリカをはじめとする各国との関係において、むしろ問題視される可能性があるのは、インバウンド/アウトバウンドの格差だと思う。日本政府観光局によると、円安を背景に2024年1月~11月期に日本を訪れたインバウンドは約3338万人に上ったのに対し、日本からのアウトバウンドは約1182万人に留まっている。

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