星野代表が描く「次世代への事業承継」と海外進出 2028年ニューヨーク州に温泉旅館を開業予定

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このことは、旅行収支(国際観光収支)の不均衡として問題視される可能性があるほか、日本の観光産業にとっても、将来的に大きなマイナスになる可能性がある。日本人が海外へ出かけなくなると、各国との間を結んでいるエアラインの直行便を現状のレベルで維持できなくなり、減便、場合によっては廃止せざるをえなくなる。そうするとどうなるかと言えば、日本は世界の中で「旅行に行きづらい国」になってしまう。

通年採用の意図は?

――昨年10月に、学年を問わず選考に参加できる通年採用を開始したことが、大きな話題になった。今後は早ければ大学1年生で内定が出ることもありえる。SNSなどでは「究極の青田買いだ」「学生を不要な競争やストレスにさらす」といった批判が見られたが、これについてはどう思うか。

そうした批判は当たらないと考える。むしろ、今行われている大学3年生のある時期から一斉にスタートする就職活動こそが、ストレスの要因になっているのではないか。

大学3年生の後半から4年生といえば、サークル活動にしろ卒論にしろ、本来であれば大学生活の集大成として最も重要な時期のはずだ。それなのに、その時期に就活に追われなければならないのは非常にもったいないし、短期間の就活で、本当に価値観が合っているのかもわからない企業に入らざるをえないのもナンセンスだ。

我々が提唱する通年採用は、なにも大学1年生から一斉に「よーいドン!」で就活を始めようというのではなく、時間をかけてゆっくりとマッチングしようというところが大事なポイントだ。

時間をかけることで、企業側にとってはマッチング度が高まり、就職後の離職率を下げるメリットがある。一方、学生にとっては4年間を自由に、計画的に使えるようになる。例えば2年生で就職先を決めてしまえば、その後は留学などを計画することもできるだろうし、逆に受験で疲れているから1~2年生の間はゆっくりと過ごしたいならば、今までどおりに3・4年生から就活を始めればいい。

――星野リゾートの施設に宿泊すると、全体的に若いスタッフが多く、組織として年齢のバランスが悪いように感じる。昨年も700名以上の新卒採用を行ったとのことだが、この点の見直しは必要ではないか。

組織の成長スピードが早かったので、結果的に若いスタッフの割合が多くなっているが、それに起因して、なにか具体的な支障が生じているということはないと思う。

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