国家を束ねる「正統性」を失った各国指導者たち 4分の1が過ぎる21世紀、国家を束ねる指導者が消えた
ところが今EUといわれている地域はブルガリアまで入った。通常この地域も西欧ということになり、トルコから先が東ということになる。
しかしトルコは、その一部はバルカン半島にあり、EUに入りたいと思っている国でもある。
西欧はキリスト教国というのなら、トルコは入らない。そうだとすると正教会のウクライナやロシアは西欧といえるのだろうか。
ロシアや南アメリカは西欧か
少なくともロシアは今では西欧だと思っておらず、非西欧のグループの中に入ろうとしている。
新大陸アメリカもキリスト教布教の地として西欧であるとしても、メキシコ以南の中南米はキリスト教国だが、西欧と言えるのか。これらの地域の宗主国であったスペインの位置取りは、非西欧と西欧の交差点という位置取りだ。
太平洋に目をやると、西欧化の道をひたすら歩んできた日本を除いて西欧だと思っている国はない(日本も内心はそう思っていないはずだ)。中東やアフリカ、中南米、東アジア、東南アジア地球のほとんどの地域は非西欧だと思っているはずである。
東西問題は、今では対立の要素が強くなっている。かつては宗主国と植民地、半植民地の関係にあった。やがて先進国と後進国との関係となり、今では衰退する先進国と、勃興するニューパワーとしての新興国という関係である。
G20(主要先進国20カ国)あるいはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)などといわれる新興国は、今後ますます先進国にとっての脅威となるだろう。
経済力において政治力において、さらには軍事力においても、これらの国の勢いは増大することはあれ、減少することはないだろう。
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