紫式部と藤原道長は「恋愛関係」にあったのか【再配信】 歴史学者や作家たちの見解を通して分析する
【12月15日で最終回を迎えるNHKの大河ドラマ「光る君へ」。2024年1月より歴史学者の濱田浩一郎さんが平安時代にスポットライトを当てて書かれている記事の中でも、とくに人気の高かった記事を再配信します。】
道長の妻妾たちと式部の共通点
藤原道長と『源氏物語』の作者・紫式部は、愛人関係にあった(式部は道長の妻妾だった)とする説は、昔からあります。
例えば、歴史学者の角田文衞氏(元・大阪市立大学教授)は「道長が紫式部を妻妾とし、そのうえで彼女を新皇子につける腹心の官女にしようと意図したとみるのは、極めて自然で無理のない推測とされるべきである」としています。
道長が妻妾としたのは、藤原為光の4女・5女、源重光の娘、大納言と呼ばれた女性の4人であり、その共通点は、道長の一家と血縁的に近く、未亡人、そして、道長の娘かその皇子に仕えている官女で中年女性です。これに式部も当てはまり、道長に好意を寄せていたから、2人(道長と式部)は男女の関係にあったと、角田氏は考察しています。
確かに『紫式部日記』を読み解くと、式部は道長を「お姿のなんと立派なこと」「素晴らしい」などと記しています。嫌悪感を持っていないのはたしかです。
しかし、肝心なのは、2人が恋愛関係にあったか否かでしょう。
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