ジリ貧のTSUTAYAがここに来て大量展開する商売 脱ビデオ屋?トレカで「空間の価値」を提供し始める
トレカについての取材も多いライターの山内貴範は、「今年に入ってから、カードゲームショップの閉店が相次いでいる」と書き、その原因として、今書いたようなトレカの中古価格の値崩れを指摘する。
また、それ以外にも、真贋鑑定の難しさ、投機目的でのカード売買の数が減少したことを指摘する(RealSound「『人気じゃないの?』カードゲーム市場に異変? 有名カードゲームショップが突如閉店……価格下落も一因か」による)。
いずれにしても、そもそもトレカとは「ただの紙」。なかなかそれだけで価値を作り出し、それを維持していくのは難しいのかもしれない。
そう考えると、単に「モノ」としてのトレカの価値は、だんだんと減少していくかもしれないし、それだけに頼るビジネスもやりにくくなっていくだろう。
トレカが持つ「場所としての価値」に目を付けた
そんな中でも、CCCがトレカ事業に意気込んでいるのは、トレカには「モノとしての価値」だけでなく、「場所としての価値」があると捉えているからだ。
先ほども書いた通り、多くのトレカショップには対戦スペースが併設していて、ここでトレカ好きが集まって対戦をしたり、大会が開かれたりと、カードを通したコミュニティのハブになっている。
私は、CCCのトレカ事業の担当者にインタビューしたことがあるのだが、そのときに担当者は「お子さまから大人まで、トレカを通じて同じテーブルで楽しく対戦されている姿は他のアイテムにはない特徴だと思います」と言い、「トレカの対戦を通じて、共通の趣味を持つ仲間との交流が生まれる場をご提供しています」とその狙いを話していた。
実はTSUTAYA Trading Cardは、基本的に対戦スペースを無料で開放しており、大会の多くも参加費は無料となっている。「場所」へのアクセスを高めて実店舗への動線を作り、経営を成立させていくということだ。
このような「場所」としての価値をテコにした事業展開を見据えている。
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