中国新興EV「哪吒汽車」の資金繰り悪化が表面化 取引先が債務履行求め訴訟、賃金支給の遅延も

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中国自動車市場でEVメーカー同士の過当競争が激化する中、哪吒汽車の販売は苦戦を強いられている。2024年1月から9月までの販売台数は累計8万5900台と、(EV市場全体が拡大する中で)前年同期比12.1%減少した。

哪吒汽車は電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が開発した「スケートボード型車台」を採用するなど、最新技術の導入にも熱心だった(写真は同社ウェブサイトより)

哪吒汽車の内情に詳しい関係者によれば、目下の資金繰りは極めて苦しく、EVの生産に影響が出ているという。

「多数のサプライヤーへの支払いが滞っているため、部品の供給が止まり、生産ラインを正常に稼働できない状況だ。従業員の賃金も9月分を期日通りに支給できず、10月16日に半分だけ支払ったが、残り半分はまだ支払われていない」。上述の関係者はそう証言した。

赤字続きで資金払底か

哪吒汽車は香港証券取引所への上場を目指し、2024年6月にIPO(新規株式公開)の予備的な目論見書を提出した。

そこで開示された過去3年間の業績を見ると、売上高は2021年から2022年にかけて50億8000万元(約1090億円)から130億4000万元(約2799億円)に急拡大したが、2023年は135億5000万元(約2908億円)と前年比3.9%の伸びにとどまった。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

一方、営業損益はずっと赤字で、その額は2021年が45億元(約966億円)、2022年が59億5000万元(約1277億円)、2023年が67億5000万元(約1449億円)と増え続けている。

さらに、資金繰りの目安になる現金および現金同等物の残高は、2022年末時点の67億5000万元(約1449億円)から2023年末には28億3000万元(約607億円)に減少していた。現状を勘案すると、何らかの手段でまとまった資金を調達しなければ経営破綻のリスクは否定できない。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は11月8日

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