これに対してCX-80は、日本市場を考慮したことでフェンダーの張り出しは控えめであり、リアオーバーハングも全長を5m以内に収めるために短めにしている。
では、なぜCX-80のスタイリングは、CX-8から大きく変わったと見えるのか。
理由のひとつは、ふたつの3列シートSUVの前任車、つまり「CX-8」と「CX-9」を見比べるとわかる。この2車は、ボディサイズだけでなく、スタイリングも違っていたからだ。
ドアの長さは気になるけれど
CX-8は世界的にヒットした「CX-5」の流れを汲んでいて、ドアなどに入れたキャラクターラインと、上端のラインをクーペのようにカーブさせたサイドウインドウにより、魂動デザインを感じるフォルムだった。
これに対して海外向けモデルのCX-9は、前後のフェンダーの張り出しこそ目立つものの、サイドパネルはあっさりしていて、サイドウインドウ上端のスロープも控えめだ。このスタイルがCX-90にも受け継がれ、CX-80も同じ路線になったと考えている。
3120mmという長いホイールベースのわりに前後のオーバーハングが短いことは、たしかに目立つ。しかし、オフロードの走破性も考慮するSUVでは、オーバーハングを短くするのが定石であり、SUVとして見れば違和感はない。
そんな中でちょっと気になるのは、3列目の乗り降りを考慮したがゆえに長めとなったリアドアと、リアオーバーハングの短さとの対比だ。
ノーズの造形も、CX-80とCX-8とでは、かなり違う。CX-8はノーズが先端に向けて緩やかに下がっており、ボディサイズのわりに軽快な雰囲気を見せていた。
対照的にCX-80はCX-60と同様、顔に厚みがあり、フードは水平に近い。これは、パワートレインのレイアウトを考えれば、仕方がなかったと言える。
CX-80とCX-60のパワートレインは同じで、3.3リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジンとそのマイルドハイブリッド版、2.5リッター直列4気筒ガソリンのプラグインハイブリッド仕様がある。いずれもエンジンを縦置きし、後輪あるいは4輪を駆動する。
直列6気筒エンジンは、縦に長い。ゆえにノーズの先端を低くしたり、丸みをつけて軽快にスポーティに見せたりするのは難しい。
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