「こころちゃんはポテンシャルが高いです。中学受験コースで頑張れば、良い学校に入学できると思いますよ」
こうした声かけは実はよくあるものだが、初めての子育てである両親が知る由はない。
“挑戦させてあげたい”
小学3年生2月、こうして、こころちゃんの中学受験勉強はスタートした。
中学受験コースでの「成績の乱高下」
中学受験コースへの変更後すぐの成績はあまり良いものとは言えなかった。しかし、事前に担当から「中学受験コースの問題は一般クラスと比べると難しいので、最初はみんな成績が下がります」と聞かされていたため、本人も母親もさほど気にはしなかった。
だが5年生クラスになると、こころちゃんのやる気に陰りが見え始める。中学受験コースの勉強は想像より難しく、きちんと理解ができる単元もある一方、まったくわからないというものも出てきていた。特に算数でその傾向が強かった。
その様子は模試の成績にも表れた。4教科の成績を見ると、好調時には偏差値60台半ばまで上がるのだが、悪いときには10ポイント以上も落ち込んでしまう。普段は細かく娘の勉強を見ない母親も、この成績の乱高下はさすがに気になった。
塾の面談の際にも、成績の乱高下について何度か担当講師に相談をした。しかし、帰ってくる言葉はいつも「大丈夫です!」というものだった。
塾から聞いたこの言葉を信じ、志望校選びを始めていく。第1志望として考えたのは、青山学院横浜英和中学校。ここは創立140周年以上の横浜の伝統校、横浜英和女学院中学が前身の学校だ。2014年には青山学院大学の系属校となり、2016年には名称を現在の青山学院横浜英和へと変え、2018年には男女共学化に踏み切り、大きな変化を迎えていた。教育内容もさることながら、母親は給食があるのも気に入った。
「ほんとにこんなことで決めるのかという感じなんですが、学校の様子もよかったし、お弁当を作らなくていいのは共働きのうちにとっては助かるなと思いました」
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