フェンディ「外国人客に土下座」が悪手すぎたワケ SNS投稿が波紋、「企業は断固たる姿勢を」の声

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「ひざまずいての謝罪」という接客対応がどんなに効果的なカスハラ対応であったとしても、カスハラ条例の「顧客と就業者とが対等の立場において相互に尊重する」という基本理念に照らすと、会社がそういった接客対応を容認することは事業者としての責務に違反する可能性があるのです。

「『対外的にも』従業員を守る行動を見せるべき」

――カスハラが疑われる今回の事案について、フェンディは毅然とした態度を示すべきではないか、それがひいては今後の従業員を守ることにつながるという声もあります。事業者はカスハラにどのように対応すべきなのでしょうか

今回のケースに関して、取材の問い合わせをしても、フェンディは「本件についてお答えできません」とコメントしたとのことです。他の報道でも同様の対応をしているようです。

内部的には何らかの対応があったのかもしれませんが、少なくとも対外的には従業員を守る行動をしたようには見えません。

会社としては、SNSの投稿や複数の報道によって、今回のケースが世の中に広まってしまった以上、対外的には「本件についてお答えできません」とするのではなく、より踏み込んだ対応が必要だと思います。

たとえば、ホームページなどで「当該女性の入店拒否」「SNSの削除要請」及び「カスハラに対する今後の対応策」などを公表すべきでしょう。

フェンディ
フェンディ(トラブルのあった店舗とは関係ありません)(写真:yu_photo/PIXTA)

カスハラ加害者は、誰彼無しにカスハラに及んでいるのではなく、自分よりも立場の弱い人や、言いやすい会社を選ぶ傾向があります。会社が「絶対に現場従業員を守る」という断固たる姿勢を示すことによって、将来のカスハラを防ぐための一定の抑止効果があると言えるでしょう。

カスハラ問題にうまく対応できないと、従業員の離職が多い傾向があると言われています。カスハラを放置すると、現場従業員としては安心して働くことができないため、サービスの品質の低下を招くこともあります。

SNSを通じてカスハラの状況が拡散しやすい現状に鑑みれば、会社としては、内部的な対応に留まらず、対外的にも現場従業員を守る姿勢を明確にし、抑止効果を高めることで現場従業員の安心感を高めることが重要だと思います。

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