どんなに働いても「なぜか生きづらい」その真因 現代人を生きづらくさせる「スモール・トラウマ」
自信に溢れ、仕事を完璧にこなし、まさに絶好調、という人をあなたは知っているかもしれません。けれども、彼らも自信のなさに苦しめられているはずです。自信満々に見えるのは、自分を偽っているのがばれるのを恐れているからなのです。これはあなたのことかもしれません。
実を言えば、私たちの多くはそう感じているのですが、怖くて口に出せないのです。そのことがしばしばスモール・トラウマになります。あなたがインポスター症候群でなくても、あなたが知っている誰かは、その症候群になっていて、「ばれる」のを恐れているはずです。
社会に由来するスモール・トラウマ
仕事に関する問題は、スモール・トラウマのより広範でよりマクロな源泉、すなわち現代社会へと私たちを導きます。現代社会には素晴らしい側面がたくさんあり、心身の健康状態という点でも、2、300年前の世界に戻りたいとは誰も思わないはずです。それでも現代社会にはスモール・トラウマの原因になる要素が溢れています。
私たちはグローバル経済の中で暮らしていて、その経済は多くの人の生活水準を押し上げましたが、その反面、自分と比較する相手が数百万人どころか、数十億人になりました。圧倒されるように感じるでしょうし、それも当然です。
「~ができたら、きっと幸せになれる」──この考えが何度、あなたの頭に浮かんだことでしょう。もう少しお金があったら、昇進したら、完璧なパートナーを見つけたら、子どもができたら……願望は限りなく続きます。
これを私は「奮闘の輪」と名づけました。私たちは成果や目標を目指して仕事に励み、奮闘し、振り返る時間をほとんど取ろうとしません。しかし実際には、ハムスターのように奮闘の輪を回しているだけなのです。休息も終わりもなく、ひたすら消耗するだけです。「いつか」ではなく、今を重視しなければ、この状態は永遠に続きます。
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