調査結果からも明らかです。イギリスのリサーチ会社K7メディアの2023年集計調査によると、「フォーマット・セールス」と呼ぶ海外リメイクが可能な351の番組タイトルの中で配信コンテンツの展開国としては世界ナンバーワンであることがわかっています。上席アナリストのミシェル・リン氏が「日本発の『LOL(ドキュメンタル)』はこれまでイタリア、フランス、ドイツなどに広がり、次々と新たなローカル版が誕生しています。今、最も成功している番組フォーマットの1つ」と、太鼓判を押すほど。
世界に広がる新しいバラエティ番組そのものが数年に1本の割合でしか生まれていませんから、決して大袈裟ではありません。一方、日本ではシーズン13が配信された直後の2024年1月に松本人志の芸能活動休止が発表されて以降、更新されないままのなか皮肉とも言えます。それでも、海外展開そのものは以前から積み重ねてきたからこそ社を挙げて打ち出すことになったわけですが、このタイミングに懸念はなかったのかと思うところもあります。
岡本社長に直球で聞くと「何の疑いもなかった」と言い切り、さらに想いを言葉に乗せます。
「松本人志本人の事情はありますが、作品そのものは彼が築き上げ、彼の才能が反映されたもの。それがこうして海外でも愛され、楽しんでいただけていることが純粋に嬉しく、ありがたいことだと思っています」
テレビ局は複雑な気持ち?!
もしかしたら、この状況に最も複雑な想いを感じているのは日本のテレビ局なのかもしれません。これまで海外にバラエティ番組を売り込む日本の企業はテレビ局が中心。番組の海外販売の権利を持つ立場は限られています。参入企業形態のバリエーションがある海外とは違います。
つまり、プレイヤーが増えることで日本のコンテンツに目が向けられ、日本コンテンツ全体の活性化につながるかもしれないと頭では理解しても、ライバルが増えて食い合う現実的なデメリットは拭えません。
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