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レバノンの通信機爆発はどう仕組まれたのか 現代の「トロイの木馬」はゲームチェンジャーだ

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  • 高橋 浩祐 米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

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レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラメンバーが手にしている通信機器。今回、このような通信機器を利用した攻撃はどう行われたのか(写真・Anadolu/GettyImages)

歴史家の記録に残る人類最初の戦争は、今のイラクを中心とした古代メソポタミアで起きた紀元前3000年代の都市国家間の戦いだったとされる。以来、人類は世界各地で戦争を絶え間なく繰り広げてきた。

しかし、中東レバノンでイスラム教シーア派組織ヒズボラが2024年9月17、18両日に受けたような通信機器の一斉爆発は前例がない。人類は今、人々が普段使う日用品が一瞬にして大量殺人の道具に変わり得る時代に入ったのだ。

沈黙するイスラエル当局

国際連合の報告によると、ヒズボラのメンバーら使用するポケットベル(ポケベル)数千台が9月17日、レバノン全土で一斉に爆発した。同様の爆発はシリアでも報告された。翌18日にも、レバノン各地でトランシーバー数百台が同時に爆発した。

レバノン保健省は、子ども2人を含む37人が死亡し、3400人以上が負傷したと発表した。レバノン政府はイスラエルによる攻撃だと断定し、強く非難している。

これに対し、イスラエルは攻撃への関与の有無について、コメントを控えている。イスラエル当局が他国での作戦についてめったに語らないのはいつものことで珍しくない。

しかし、この作戦の背後にいる組織は、非常に高度な技術と正確な情報、そして海外での要人暗殺など高い作戦実行能力を持つイスラエルの諜報特務庁、モサドである可能性が高い。

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