有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #日本発イノベーションは世界を席巻するか

低空域をドローンが飛ぶための運航管理システム テラドローン徳重徹はM&Aを駆使して世界を制する

15分で読める 会員登録で読める
  • 井上 達彦 早稲田大学商学学術院教授
2/7 PAGES

井上:もう1つのUTM(運航管理システム)についてお聞かせください。

徳重:高い高度の空では、航空管制官が航空交通管理(ATM)システムの支援を受けながら管制することで安全に航行できるようになっています。

これと同じようにドローンもいろいろ飛び始めると、安全面から同様のシステムが必要になってくると予想されます。それがUTMなのです。

特にヨーロッパではEU(欧州連合)加盟諸国でUTMの導入が義務化されるなど、導入が進んでいます。そうした中、ヨーロッパ諸国やカナダなど8カ国以上の国に採用されている会社を、われわれの子会社にすることができました。

UTMは意外にもライバルが少なく、われわれのグループがリードしています。先ほどのランキングで、もしUTMのカテゴリーがあればテラドローングループが世界1位です。

井上:世界1位であれば、UTMのほうにフォーカスしてもよさそうですね。

徳重:UTMはインフラなので、売り上げが上がるまで時間がかかります。最近になってようやく実績が出てきたという感じです。われわれがドローンの会社として資金も集めるためには、しっかりソリューションビジネスも作っていかなければなりません。

モノ売りに止まらないビジネスモデル

井上:ドローンといえば中国のDJIが圧倒的に強いと言われています。

徳重:ドローンメーカーのDJIは、そもそもUTMをやっていません。その意味でセグメントが違います。UTMにしてもソリューションにしても、私たちは彼らとは違う事業領域でビジネスをしています。DJIは確かに強いので、そことは競合しないようなセグメントを最初から選んでいました。

テラドローンを立ち上げる前から、僕は別会社としてEV(電動3輪車)のメーカーをやってきました。その経験からすると、やはり売り切りだと限界もありますし、単なるハード売りだと、投資家からコモディティのイメージを持たれやすいです。

井上:ドローンのハード売りとは違うビジネスモデルということですね。

徳重:UTMのマネタイズには、1つは、それぞれの顧客に対して開発コストとして徴収する方法があります。 もちろん、システムなのでメンテナンス費用も発生します。

2つめはリカーリング(継続取引)です。例えば、カナダの事例でいうと、ドローンの飛行承認申請の処理1回ごとにUTMに一定の金額が支払われる仕組みになっています。

井上:カナダでは飛行承認ごとにお金を取るわけですか。

徳重:今はNAV CANADA(ナフカナダ)という半官半民の組織が、航空を取り扱っています。そこがわれわれに飛行承認申請の処理ごとに料金を払ってくれています。将来的にはエンドユーザーである、ドローンパイロットが払うようなビジネスモデルになるかなと思います。

3/7 PAGES
4/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数