ミセスMVが示す日本人の「白人化された歴史認識」 過去にはももクロが「黒塗りメイク」で問題に

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大森元貴演じるコロンブスは、アメリカ神話の中でこの国を発見したことで有名なイタリア人である。彼が発見した国には、すでに何百万ものさまざまな部族の先住民が住んでいた。彼らを発見すると、コロンブスとスペイン軍は不均衡な物々交換を行なったうえ、後に残虐行為を繰り返すようになる。

コロンブスはハイチ、ジャマイカ、キューバといったカリブ海の島々も「発見」したとされるが、こうした地域にすでにタイノ人が住んでいた。コロンブスらはこれらの国々も侵略し、人々を奴隷にし、さらにはヨーロッパ人の病気を蔓延させた。

類人猿はタイノ人やアメリカ大陸の先住民を表しているのだろうか?(大森はHPに寄せた謝罪で「類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました」と書いている)。

ミセスの3人(写真:Mrs. GREEN APPLEの公式Xより)

ナポレオンが出てくるのもマズい?

次に登場するナポレオン(演じているのは若井滉斗)は、フランス国王を打倒・処刑し、自らを支配者とした独裁者である。ナポレオンはアフリカ(スフィンクスの鼻を撃ち落としたと噂されるエジプト)にも侵攻し、フランスに対する反乱の際に彼の軍団から奪い取ったばかりの自由に対して、ハイチ人に特別な請求書を(外交的承認の見返りとして)手渡している。この借金の支払いには122年を要し、今日の歴史家でさえ、この借金が今日のハイチの貧困の原因であり、悪質であると非難している。

3人目は作曲家のルートヴィヒ・ベートーヴェン(藤澤涼架が扮している)。私の大好きな作曲家の1人だ。彼の交響曲第9番は史上最高の作品の1つだと私は思う。

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