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「国家は人類を幸せにしたか」という根本的疑問 スコット『反穀物の人類史』で常識を疑う①

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  • 安川 新一郎 東京大学未来ビジョン研究センター特任研究員、グレートジャーニー合同会社代表

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ジェームズ・C・スコット『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』立木 勝 訳/みすず書房

貧富の格差が拡大する一方、人々の分断をあおる候補者が米国大統領選挙で優勢となり、1つの戦争が終息する前に、また新たな戦争が勃発する──。

人類は文明の大きな転換期に、自らの歴史を振り返る。近年は、ユヴァル・ノア・ハラリやデヴィッド・グレーバーらによる人類史のベストセラーも多い。人類学者・ジェームズ・C・スコットの『反穀物の人類史』も、その1つだ。

私たちは教科書などで、かつて狩猟採集民だった先祖は、農耕技術を発明して食料の備蓄が可能になり、集団での定住生活を始め、やがてそれは都市となり、国家と文明が誕生した、と学ぶ。本書はその定説を、根底から覆す。

人類の幸せのために国家は必要か

一般に、社会の成立には法による秩序や福祉を提供する国家が不可欠だと考える。しかしスコットが主張するのは「権力による強制なしに、人間が互いに助け合っていくことを追求する思想」としてのアナキズム(無政府主義)だ。

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