ドラマ「不適切にも…」で考えた"炎上"問題の本質 不意に生み出される"炎上"に適切に対応する4つの視点
ネットメディアは、この事例を真摯に受け止めることなく、依然として“炎上”を作り出し続けている。その傾向はさらに加速している。
ドラマの中身の話題に戻ろう。
山本耕史が演じるテレビ局のリスクマネジメント部長・栗田一也は、アナウンサーの不倫問題について、次のように語っている。
「もはやテレビが向き合う相手は視聴者ではない。見ていない連中なんです」
「見る人はまだ好意的、見ないで文句を言う人間には最初から悪意しかない。これがバッシングの実態です」
このセリフも、非常に現代の炎上問題の本質を突いている。
1. 問題とは直接関係がない第三者が声高に批判を行う
2. 批判をする人の多くは、事態を正しく把握・理解していない
3. 一見すると正義感から批判しているように見えても、裏側には悪意がある(あるいは日頃の鬱憤を晴らすために無関係な他者を叩いている)
というのが実際のところだ。
前に筆者が書いた、キリン氷結無糖の成田悠輔氏の広告取り下げ問題(キリン氷結「広告取り下げ」に見る"空気感の変化")についても、批判をしている人の大多数は、成田氏が問題発言を行ったとされるABEMA Primeの番組を視聴はしていないし、発言の文脈を踏まえてその内容が不適切か否かを判断しているわけでもない。「不買運動」を呼びかけている人たちも、実際に商品を買っている、あるいは買う可能性がある人たちなのか否かも定かではない(大半は購入者、購入予定者ではないと思われる)。
こうした“炎上”に対して、果たして当事者はどれだけまともに取り合う必要があるのだろうか?
“炎上”対応を講じる際の4つの視点
現代はコンプライアンスが重視される時代ではあるが、過剰な批判が起きて炎上に至ってしまう現状と、コンプライアンス社会とは区別して考えるべきだろう。
実際に“炎上”が起きた際には、次の4つの視点から対応策を講じる必要がある。
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