アップルが決算発表後に開催した業績説明会では、中国事業の予想を超える落ち込みに参加者の関心が集中した。
「為替変動の影響を差し引けば、中国本土市場のiPhone販売額の減少幅は前年同期比1桁台半ばにとどまる。2023年の中国本土市場において、アップルは依然として出荷量が最多のスマートフォン・ブランドだった」
同社のティム・クックCEO(最高経営責任者)はそう強調し、自身の見方を次のように語った。
「私は中国市場の長期的発展について楽観している。中国では通信ネットワークに接続する端末数が過去最高を更新し続けており、スマホユーザーの買い替え意欲も高い」
「市場シェア低下は当面続く」
だが、市場調査会社のデータによれば、中国本土におけるiPhoneの販売台数と市場シェアは2023年10~12月期にそろって縮小した。例えばカウンターポイントのデータでは、同四半期のiPhoneの販売台数は前年同期比9%減少、市場シェアは20.2%と前年同期より3.5ポイント低下した。
市場関係者の間では、今後のアップルの中国事業に対してより悲観的な見方が増えている。例えば天風証券の香港法人でアナリストを務める郭明錤氏は、1月31日付のレポートでこう述べた。
「中国本土におけるiPhoneの出荷台数は、ここ数週にわたって前年同期比30~40%減で推移している。その要因はハイエンドスマホ市場でファーウェイ(華為技術)が復活を果たしたことや、(アップルの製品ラインナップにはない)フォルダブル(折り畳み式)スマホの人気が高まっていることなどにある。アップルの市場シェア低下は当面続くだろう」
(訳注:中国のスマホ市場におけるファーウェイの復活については『ファーウェイ「自社設計チップ」搭載拡大の衝撃』を参照)
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は2月2日
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