「ハイブリッド車」やけに復活している2つの理由 トヨタとホンダにとっては追い風になっている
テスラをはじめとする電気自動車(EV)が、先進のテクノロジーとガソリンを使わない未来への期待で自動車購入者を魅了する中、ハイブリッド車は過去のものになったと思われ始めていた。ハイブリッド車の旗手であるトヨタ「プリウス」の販売台数は、過去10年間で85%も減った。
ところが今では、EV販売の伸び悩みからゼネラルモーターズ(GM)やフォード・モーター、フォルクスワーゲンはEVで掲げた野心的な目標を下方修正するようになっている。
EVでなくハイブリッドが支持される理由
そうした中でも、ハイブリッド車の販売は堅調で、EVが2023年に直面した厳しい現実が今も続いていることが明白になってきた。アメリカ人の多くは電動化を大いに歓迎しているが、完全に電動化されたEV(フルEV)を受け入れる準備はまだ整っていない、という現実だ。
調査会社コックス・オートモーティブで産業分析の責任者を務めるステファニー・バルデス・ストリーティは、「消費者は(内燃機関の自動車)と同じ体験を求めている」と語る。「しかし、私たちはまだその段階には到達していない。ほとんどの消費者にとっては、依然として価格がいちばんの障壁になっている」。
コックスによると、昨年アメリカ人が購入したEVは120万台と過去最高を記録。約46%の増販となり、新車全体におけるシェアは7.6%となった。対するハイブリッド車の販売は、自動車調査会社エドモンズによると、65%増の120万台超とEVよりも伸びが大きく、新車全体におけるシェアも5.5%から8%に上がった。