「あえて仕事しない」が日本でも当たり前になる日 「働かない=怠けている弱者」という乱暴な思い込み

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一般社団法人キャリアブレイク研究所の代表を務める北野貴大さんは「キャリアブレイクを後押しすることは、企業や社会にとってもメリットがある」と語る
病気、育児、介護、学業などによる離職・休職期間は、日本では「履歴書の空白」と呼ばれ、ネガティブに捉えられてきた。しかし、近年そうした期間を「キャリアブレイク」と呼び、肯定的に捉える文化が日本にも広まりつつある。
この連載では、そんな「キャリアブレイク」の経験やその是非についてさまざまな人にインタビュー。その実際のところを描き出していく。

これまで日本企業では、離職や休職により社員が会社から離れることは組織にとってネガティブな出来事と捉えられることが多かった。新卒一括採用、終身雇用を前提とする組織では、それを乱すような動きはときに組織運営上のノイズのようにもみなされがちだ。そうした空気を感じ取る社員の側も、離職や休職には慎重にならざるをえない面がある。

しかし、2024年1月に出版される『仕事のモヤモヤに効く キャリアブレイクという選択肢』の著者であり、一般社団法人キャリアブレイク研究所の代表を務める北野貴大さんは、「仕事から一定期間離れること、すなわちキャリアブレイクを後押しすることは、企業や社会にとってもメリットがある」と語る。

いったいどういうことなのか、話を聞くことにした。

多くの人がキャリアブレイクを経験している

一定期間仕事や会社から離れるキャリアブレイクの文化が今、欧米で広まっている。一方、日本ではまだ一般的ではなく、ポジティブにも捉えられていない。

しかし、「日本でもかなりの数の人が、キャリアブレイクを経験している」と北野さんはいう。

あくまでも概算で、全体像を掴むためのざっくりとした数字として認識してほしい、と前置きしたうえで、「1年で147万人もの人が、キャリアブレイクを行っていると推定できる」と教えてくれた。

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