韓国大統領「次回日米韓3カ国首脳会議は韓国で」 一方で中国との関係にも配慮する尹錫悦政権

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とくに「3カ国協議に対する公約」は、2カ国中心でなされてきた安保協力のレベルを新たな高みに引き上げたと評価されている。

現時点ではどこまで実効的な中身になるかという疑問もあるが、国際情勢が「自由陣営」対「中ロ北朝鮮」といった対立の構図が深まっている中、米中対立も継続しているインド太平洋地域において今後さまざまな紛争発生の可能性が懸念されている。これらを考えると、今後、安全保障上の危機が生じた時に、3カ国が共同で対応すべき対象とその範囲を具体化せざるをえないだろう。

3カ国協調の範囲については、今回の3カ国首脳会議では、これまで存在してきた朝鮮半島の地政学的重要性がインド太平洋地域にまで拡張されたという指摘がある。3カ国が発足させる「インド太平洋対話」と「開発政策対話」によって、インド太平洋地域に対する3カ国共同の関与がさらに高まることになった。

Quad、AUKUSより幅広い対中国戦略

さらにアメリカは、日本と韓国を自国のインド太平洋戦略の両翼として活用し、Quad(日本、アメリカ、オーストラリア、インド)やAUKUS(アメリカ、イギリス、オーストラリア)より幅の広い対中国協議対が完成したという分析も出てきている。

共同声明「キャンプデービッド精神」には、両岸問題(中国と台湾)や南シナ海での紛争について直接言及しており、韓国がアメリカの中国牽制政策により近づいたという見方がある。尹錫悦政権が出口を見つけられずにいる中国との関係をどうするか、今後はよりいっそう、そのかじ取りが試されることになる。

2023年9月にインドで開催されるG20(主要20カ国)首脳会議といった場で、日中首脳会談が行われる模様であり、韓国も中国との首脳会談開催を推進する一方で、韓国が議長国である日中韓首脳会議を2023年中に開催し、韓国と中国の関係を管理できる水準にまで引き上げる可能性もある。

韓国の趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長は韓国メディアに対し「規範に基づくインド太平洋地域の平和と繁栄のためにともに進もうという方向に、中国が参加することを希望して要求したものだ。中国を非難した訳ではない」と述べた。

さらに「韓国と日中の首脳会議開催が可能か議論も進めている。相互尊重を軸に、韓国と中国の関係を発展させようという原則は変わっていない」と付け加えた。

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