気をつけるべき物件として、複数のマネー本で注意喚起されていたのは、「新築ワンルームマンション(区分所有=一部屋単位での購入)投資」です。理由は、
「新築マンションは買ったときが一番高く、買ったらすぐに価値が下がる」
「業者の資料に『家賃保証』と書かれていても、高い家賃を保証してくれるのは最初だけ」
などです。
「投資」と「ギャンブル」は違う
投資を始める前には、リスクについての理解を深めなければならない、というのは、前回の記事(『「お金の増やし方」名著100冊読んでわかった共通技』)でお話ししたとおりです。
ただ、リスクとリターンは比例関係にあるため、基本的に「リスクを取らずにリターンを得る」ことは不可能です。「うまい儲け話はない」のが投資の世界です。
どんな投資であっても、「毎月10%の配当を受け取れます」「上場間近なので必ず儲かります。元本保証します」「A社の株をお持ちでしたら高値で買い取ります」といった「うまい儲け話」を信じてはいけません。
「『元本保証でリターンがこんなに!』みたいな広告を見かけることもあるけれど、そんなことはあり得ない。感覚値だけれど、年に3%以上の利回りを保証するものは、巧妙にリスクが見えにくいスキームになっているか、詐欺かのどちらかだと思ったほうがいい」(cis『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』/KADOKAWA)
「伝説の億万長者」と呼ばれた本多静六さんも、「助平根性」を出すことを戒めています。「人間はだれしも欲がふかいものであるから、そうそうあるはずのないウマイことずくめに釣られてしまいやすい。これはちょっと冷静に考えればすぐわかることであるが、小金が貯まると、世にいう助平根性が出てくるのでうっかりするとつい乗ぜられてしまう場合がある」(『私の財産告白』/実業之日本社)
投資は、元本が保証されていません。「損する可能性がある」ため「投資は、ギャンブルのようなもの」だと考える人もいます。
しかし、マネー本の著者は例外なく「投資とギャンブルは違う」と指摘します。リスクがあっても、それにふさわしいリターンが期待できるものが投資です。振り子が右だけに振れることも、左だけに触れることもないように、投資もまた、リスクとリターンは表裏一体です。言い換えれば、投資の世界では、リスクがなく(小さく)、リターンが大きい「ノーリスク(ローリスク)・ハイリターン」の金融商品は存在しません。
資産を運用する際には、その前提を正しく理解し、自分が取れるリスクの範囲内でリターンを追求することが大切です。
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