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「論争中の病」、当事者たちを世界各地に訪ねる 『眠りつづける少女たち』など書評3冊

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[Book Review 今週のラインナップ]

・『眠りつづける少女たち 脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た』

・『行動経済学』

・『ひとくち哲学 134の「よく生きるヒント」』

『眠りつづける少女たち 脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た』スザンヌ・オサリバン 著/高橋 洋 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・医療社会学者 渡部沙織

神経疾患を専門にする英国の医師が、「心身症」だとされる、原因も実態も謎の病にかかった患者を世界各地に訪ねた。本書はその旅を基にわれわれの内面へと向かう、風変わりな紀行文だ。

西洋医学で軽視されがちな心因性疾患からの回復の過程

医療社会学には「論争中の病」という概念がある。生物学的なエビデンスを欠いているために、その実在性をめぐって専門家と患者、世論で論争が生じている病を指す。

筋痛性脳脊髄炎や痙攣(けいれん)性発声障害など、本人の症状は難病といえるつらいものであるにもかかわらず、生化学検査や画像診断で解明されず現時点で医学的に診断できない疾患がそれに当たる。「論争中の病」の患者は、心因性の症状(心身症)であるとの説明をしばしば受けるが、それは診断による社会的包摂や免責を受けられず、制度から排除されることにつながる。

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