【ピロリ菌】胃がん原因の9割、感染ある人の特徴 検査のメリット・デメリットと除菌法も紹介

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ピロリ菌を除菌することで、胃の炎症は徐々に軽快し、萎縮性胃炎も改善することは多いが、ピロリ菌除菌後でも、除菌前の胃炎の状態が進んでいた人ほど胃がんのリスクはより高く残ってしまう。そうしたケースの胃がんリスクは感染のない人の15倍以上とされている。

除菌後も年に1回は胃カメラを

「ですから、除菌後も定期的に胃カメラを受けることをお勧めします。できれば2年に1度は胃カメラを受けましょう。萎縮が進んでいた人や胃がんを経験した人は、年1回はやったほうがいいですね」(平澤医師)

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ピロリ菌の感染は、胃がん発生の最大のリスク因子だが、ピロリ菌未感染の胃粘膜にも1%の確率で発生する胃がんもある。

いずれにしても、超早期のうちに胃がんを発見でき、いまや苦痛のない検査となりつつある胃カメラを受けない手はない。早めの検査で胃がんリスクに悩まされない日々を享受しよう。

(取材・文/石川美香子)

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横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター内視鏡部准教授
平澤欣吾医師
1997年国立浜松医科大学卒業。1999年に横浜市立大学第2内科消化器グループ(現・消化器内科)入局。2003年より現在の横浜市立大学附属市民総合医療センターに勤務。消化器内視鏡の診断と治療を専門として拡大内視鏡・ESDに注力。日本内科学会認定医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員・関東支部会評議員。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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