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AでありBでもある、人間の「複雑さ」を肯定する 『なめらかな社会とその敵』著者の鈴木健氏に聞く

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鈴木 健(すずき・けん)/東京大学特任研究員、スマートニュースCEO。1975年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専門は複雑系科学、自然哲学。研究者としては、東京財団仮想制度研究所フェローなどを歴任し、現在は東京大学特任研究員。起業家としては、2012年スマートニュースを共同創業した。
「この複雑な世界を、複雑なまま生きることはできないのだろうか」。詩的な言葉で始まる一風変わった学術書だ。著者が構想するのは、二項対立の価値観から解放された「なめらかな社会」、300年後の未来像である。

AでありBでもあることを許容

『なめらかな社会とその敵 ――PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論』 (鈴木 健 著/ちくま学芸文庫/1540円/448ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──なめらかな社会とは、どんな社会ですか。

まず、なめらかではない状態について説明したい。簡単にいうと、AかB、どちらか一方しか選べない状態はなめらかではない。例えば、「米国人だったら日本人じゃない」「日本人だったら米国人じゃない」といった状態だ。なめらかな社会は、そうした二項対立に陥らず、「Aであると同時にBでもある」ことを許容する。

仕事においても同様だ。今のメンバーシップ制の下では多くの場合、同業の複数の会社で同時に社員となるのは難しい。だが、なめらかな社会では、例えば東洋経済新報社の社員であり日経BPの社員でもある、という状態が特段の摩擦なく実現する。

──なぜそういった社会が望ましいのでしょうか。

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