90年代VS令和「恋愛ドラマ」意外すぎる3つの違い ヒロイン像・恋敵の存在・仲間内での恋愛模様に見る差
神無月さんは仲間内で恋愛することにアメリカのドラマの影響をあげる。
「これは当時アメリカで大ヒットを記録したドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』、続編の『ビバリーヒルズ青春白書』の影響も大きいかもしれません。とにかく大人数、仲間内で恋愛しまくるし絶えず相手が入れ替わっていく、大変面白いドラマでした」
登場人物たちの人生を丁寧に描く
一方、令和では、
「『silent』ではキャスト全員が恋をしているわけではないのも興味深いですね。紬と別れた湊斗は、無理やり新しい恋を始めたりしないし、紬の親友の真子はよき相談相手ではあるけど、彼女の恋愛自体は描かれません。2022年後期のNHK朝ドラ『舞いあがれ!』では、航空学校でヒロインの舞が、同期生の柏木と恋人同士になるも、舞に片思いする吉田学生が、告白する気配はまだありません。
ヒロインの幼なじみである貴司は、まずは自分の生きがいを探し求めることを優先し、舞に恋をするような描写も今のところありません。恋人のいない人同士をくっつけたりしないし、キャラクターが追いかけたい夢があれば、恋愛よりも夢を優先するのが今っぽいなと思います」(神無月さん)
『silent』の脚本家の生方美久氏はトーク番組『ボクらの時代』(フジテレビ系)で「よくドラマで使われる『当て馬』というのが嫌いで、そうはしたくなかった、当て馬とされる人間にもちゃんと人生があるし、それを大事に描きたかった」と話していた。これからの恋愛ドラマは、登場人物たちの人生を丁寧に描くことが求められている。