日ハム新球場「誰も喜ばない」改修という驚く顛末 ファンにとっても迫力ある試合観戦が損なわれる

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報道公開された建設中のプロ野球日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」(写真:時事)

MVPやベストナインの発表も終わった。プロ野球界は「来季」へ向けて大きく舵を切った。来年の開幕戦日程は3月31日と発表されたが、北海道日本ハムファイターズは他の球団より早い30日に開幕戦を迎え、楽天イーグルスと対戦する。

この日程は2022年8月8日に行われたプロ野球実行委員会(NPBと12球団の代表によって構成される機関)によって決められた、2023年度のプロ野球日程大綱に基づくものだ。1日早い開幕はファイターズの新球場「エスコンフィールド北海道」のこけら落とし、お披露目として特例的に認められたものだ。

本塁からバックストップまでの距離に問題

ところが11月7日、同じプロ野球実行委員会で、新球場の本塁からバックストップ(バックネット)までの距離が、公認野球規則2.01「競技場の設定」の基準を満たしていないことが指摘された。

本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は、60フィート(18.288m)以上を必要とする。

新球場はこの距離が15mしかなく、規則に抵触しているとの指摘があったのだ。公認野球規則は、アメリカの「Official Baseball Rules」を翻訳したもので1956年以来、日本野球の最も基本的なルール集となってきた。一方、「Official Baseball Rules」では、次のように記載されている。

It is recommended that the distance from home base to the backstop, and from the base lines to the nearest fence, stand or other obstruction on foul territory shall be 60 feet or more. See Appendix 1.

この問題が起こってから多くの識者が指摘したのは、「recommended」という言葉の解釈の違いだ。直訳すれば「推奨する」「奨励する」であり、強い強制力はない。しかし公認野球規則では「必要とする」と訳されている。

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