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贅沢?子どもに「地方で自然体験」させる深い意味 勉強漬けの毎日では学べないことがそこにある

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  • 中野 円佳 東京大学男女共同参画室特任助教

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「サステナブルに生きることを学ぶこどもの複合体験施設」をうたう「MORIUMIUS(モリウミアス)」では、子どもたちが目を輝かせながら、定置網漁で取れた秋鮭からイクラを取り出していた(写真:MORIUMIUS提供)

キッザニア立ち上げメンバーが手がける自然体験

11月6日、宮城県石巻市雄勝町。「サステナブルに生きることを学ぶこどもの複合体験施設」をうたう「MORIUMIUS(モリウミアス)」では、子どもたちが目を輝かせながら、定置網漁で取れた秋鮭からイクラを取り出していた。

2015年にMORIUMIUSがオープンして以来、週末や夏休みには関東や関西から子どもたちが訪れる。漁船に乗せてもらい捕まえてきた魚を捌いたり、自分たちで薪に火をつけて調理をしたり、海や山での生活を体験する。

親が宿泊できる施設もあるが、スタッフに支えられながら、基本的には子どもたちだけで生活をする。「異なる年齢の友達と協力したり、親でも先生でもない大人とのかかわりがあり、成長を実感する」(複数回参加させた親)との魅力があり、リピーターも多いという。

MORIUMIUSは、もともとキッザニアを日本で運営する会社の創業・立ち上げメンバーである油井元太郎代表が、東日本大震災後の支援をしていた縁で廃校になった小学校を紹介してもらうこととなり、立ち上げた施設だ。友人で現・運営団体MORIUMIUS代表理事の立花貴氏の地元であったことから縁がつながった。

油井さんがキッザニア運営会社で仕事をしていた際、Out of KidZaniaという枠組みで、子どもたちに工場見学などをする「リアルな職業体験ツアー」を実施していた。あるとき企業の担当者から、生産者のところに連れて行きませんかという話があったという。

「都会には、豊かな自然や体験に触れさせたいと思っている家庭がある。一方で、地方は豊かな自然はあれど人やお金が集まらず疲弊しがち。当時から、このギャップがもったいないと感じていました。子どもの教育を通じて交流ができないかと思っていたところに、震災があり、雄勝に行きつきました」(油井さん)

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【食べ物の循環だけではなく、人も循環しはじめている】

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