JR九州「日田彦山線BRT化」工事の進捗状況は? 豪雨で被災し鉄道での復旧断念、2023年夏開業

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列車が運行されていた頃の日田彦山線。棚田とアーチ橋は一幅の絵だったが列車の乗客は非常に少なかった(筑前岩屋―大行司間、2013年6月21日、 撮影:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2023年1月号「BRTひこぼしライン2023年夏開業へ」を再構成した記事を掲載します。

2017年の「平成29年7月九州北部豪雨」による被災のため不通となっている日田彦山線添田―夜明間は、随所で橋梁の損壊、土砂崩壊による駅舎の倒壊、路盤流失等が発生しており、一部区間の線路をバス専用道に転換したうえで添田―日田間をBRT(バス高速輸送システム)として運行を再開することが、2020年7月、福岡、大分両県、沿線3市町村(福岡県添田町、同東峰村、大分県日田市)とJR九州の間で合意された。

鉄道再開は赤字負担を巡り実現せず

当初、地元は鉄道での再開を熱望したが、JR九州は、添田―夜明間の1日平均通過人員が131人(2016年度)で、鉄道で復旧する場合の費用が約56億円(改正鉄道軌道整備法の災害復旧費補助を活用するとJR負担は約28億円で、残りを国と自治体が負担)を要する以外に、2016年度収支は収入2800万円に対して経費が約2億9千万円であったと示し、バス転換を提示。また、鉄道で存続すると年間2億6000万円の赤字が見込まれ、維持には同1億6000万円程度の収支改善が必要と試算、その分について地元負担を求めた。

しかし、地元はその負担を担えないとしたため鉄道での存続は断念され、BRT化でまとまったものである。

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BRT化に向けて、JR九州は当初、釈迦岳の下を4379mのトンネルで抜ける彦山―筑前岩屋間のみ専用道とする案を示したが、これについても地元の福岡県東峰村が鉄道に近い形態を強く望んだため、宝珠山までが専用道区間に決まった。これにより添田―日田間約40kmのうち、専用道区間は彦山―宝珠山間約14km、前後の添田―彦山間、宝珠山―日田間合わせて約26kmは一般道経由とされた。

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