【円形脱毛症】ストレスや心の弱さ原因ではない 偏見や誤解が多い病、2022年6月に治療薬が登場

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朗報は、2022年6月に「JAK(ジャック)阻害剤」という新薬が重症の円形脱毛症治療に新たに認められたということだろう。リウマチなどの自己免疫性疾患に対して使われていた薬だが、円形脱毛症やアトピー性皮膚炎にも効果があることが臨床試験でわかり、認可された。

「JAK阻害剤の投薬の条件は治療後半年以上、脱毛症状が治らない方です。単独治療で4割に効果が見られたという治験結果も出ており、長らく治らなかった人たちも期待を寄せています」(植木医師)

スキンヘッドへの理解は進んだが

脱毛による容貌の変化は患者さんにとって大きな心理的負荷になる。ただし、発症時期によっても受け止め方が異なると植木医師は話す。結婚後や社会的にある程度地位が確立されてからの発症では、それほど隠さずに過ごす傾向もあるという。

とくに男性はここ10年ほどで社会的にスキンヘッドへの理解が進み、仕事や生活のなかでさほどデメリットではなくなってきた。ウイッグを着用しない人も増えているという。

「円形脱毛症への理解が進んだわけではないと思いますが、スキンヘッドへの理解は進んでいて、いま、男性患者さんの半数以上は治療せず、スキンヘッドのまま過ごしています。治療にお金や時間をかけ、副作用を心配し、1回良くなっても治療をやめたらまた抜けてしまう。そうしたことがかえってつらいので、治療しないでスキンヘッドでいたほうが不安やストレスもない、ということのようです」(植木医師)

一方で、女性患者の多くは脱毛を見られたくないため、ほとんどの人が日常生活や職場などではウイッグを着用している。家ではニット帽、気のおけない仲間の集まりではスキンヘッドなど、使い分けている人も多い。

ウイッグ選びも重要だ。医療用かつらは30万円前後と高額で一般的な耐用年数は2、3年。そのたびに買い替える必要も出てくる。近年はこうした医療用かつらの代わりに、数千円の安価なおしゃれウイッグをうまく使いこなしている人も多いという。

「医療用かつらがおしゃれウイッグと違うのは、肌に当たるネットなどの素材が肌にやさしく蒸れにくいといった工夫がされている点。それ以外は基本的に医療用もおしゃれウイッグも大きく変わりません。医療用を4年近くもたせるためのお手入れ法などを患者さん同士で情報交換している人たちもいます。

その一方で、カラーや素材、スタイルのバリエーションも豊富なおしゃれウイッグを常に3つぐらい用意して、ヘアスタイルの変化を楽しんでいる人もいますね」(植木医師)

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