和田秀樹「70代でも元気な人とそうでない人の差」 定説を覆す70~80代向けの書籍がよく売れる訳

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これまで売れないとされていた70~80代向けの本が、多くの高齢者から支持されている理由とは(撮影:今 祥雄)
高齢者専門の精神科医として6000人以上の患者と向き合ってきた、和田秀樹さん。70代、80代向けに書いた、老いへの備えや生き方の指南書が発売されるや否や、次々とヒットを連発。「70歳は人生のターニングポイント!」として、70代からの人生を元気に乗り切るための生活習慣や考え方をまとめた、近著『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』もベストセラーとなり、大きな話題に。
2回にわたるインタビューの前編では、これまで売れないとされていた70~80代向けの本が、なぜ多くの高齢者から支持されているのか? ヒットの背景や高齢者を取り巻く日本社会の現状について伺いました。

70~80代は想像以上にITリテラシーが高い

――70代、80代向けに書かれた著書が軒並みベストセラーになっています。ヒットの背景は何だと思われますか。

以前は、視力の低下が顕著になる70~80代向けの本は、絶対に売れないと言われていました。実際、これまでに高齢者向けの本を何冊か書いてきましたが、出版社から「70代、80代とタイトルにつけると売れなくなるのでやめましょう」と、まるでタブーワードのように捉えられていたんですね。

ところが、2020年に『六十代と七十代 心と体の整え方』(バジリコ)を出したところ、6、7万部売れ、「70代」とはっきり年代を入れたほうが読まれることに気づいた。

そこで『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)という本を出したら、31万部のベストセラーに。さらにその上の年代に向けて書こうと、『80歳の壁』(幻冬舎新書)を出版したら、41万部を突破して、Amazon全体で1位になりました。

しかも、驚くべきは、電子書籍のKindle版のほうもかなり売れていたのです。

これは自慢をしたいわけじゃなくてね。今の高齢者の実態を知ってほしくて言っているんだけど、最近の70代、80代は想像以上にITリテラシーが高くて、常日頃からスマホやPC、タブレットを使って、情報を入手しているということなんです。

そして、欲しいと思ったものは、アクティブに取り入れていこうという意欲もある。そのことを今回の売れ行きを見て、実感したわけです。

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伯耆原 良子 ライター、コラムニスト

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ほうきばら りょうこ / Ryoko Hokibara

早稲田大学第一文学部卒業。人材ビジネス業界で企画営業を経験した後、日経ホーム出版社(現・日経BP社)に。就職・キャリア系情報誌の編集記者として雑誌作りに携わり、2001年に独立。企業のトップやビジネスパーソン、芸能人、アスリートなど2000人以上の「仕事観・人生哲学」をインタビュー。働く人の悩みに寄り添いたいと産業カウンセラーやコーチングの資格も取得。両親の介護を終えた2019年より、東京・熱海で二拠点生活を開始。Twitterアカウントは@ryoko_monokaki

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