そう私は先ほど、私は「買わない」ことによってすべてを手に入れたと書いた。健康、友達、時間、安心……それらはまさに「それさえあれば幸せに生きていけるよネ」というしあわせのモトたちである。ということは、私は、別にお金などなくとも人生はほとんど大丈夫という最強の境地を手に入れたということである。めでたしめでたし……と、ここできれいに話がまとまるところである。
あってもなくてもいいお金が「貯まってしまう」皮肉
ところが困ったことに、さらにもう1つ、まったく予期していなかった、非常に「微妙なもの」まで手に入ってしまったのだ。
それはいったい何かというとですね……「お金」である!
……なーんてことを書くと、皆様が眉をひそめる様子がありありと目に浮かびます。何が「困った」だ? 何が「微妙」だ? お金が手に入りゃサイコーじゃねーか。それをいったいコイツは何をもったいぶっているんだ? 自慢したいだけなんじゃねーのか?
いや、お気持ちはよくわかります。私もちょっと前ならば、つまりはこういう生活を始める前なら絶対そう思っていたと思う。
でもちょっと考えてみてほしい。
私は今や、お金で幸せを手に入れようとは思っていないのだ。むしろ、お金を不用意に使うと幸せが遠のいていくと思っているのである。つまりは、これまでずっと、いくらあっても足りないと思っていたお金が、今や「あってもなくてもいい」存在になってしまったのである。
ってことになった途端、そのお金が貯まり始めるとは! これを矛盾と言わずになんと言おう。
「貯めている」わけではない。ただただ「貯まってしまう」のだ。よく考えたら当然なのだ。だって私はお金をそうそう使わないのである。サラリーマン時代と比べたら収入は激減したが、支出はそれ以上に大激減。我慢しているわけでも節約しているわけでもない。自分が幸せになるためにそうしているのである。結果、私が幸せを追求するほどに、私の手元にやってきたお金がグズグズと残る。
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