企業の経営に問題が生じ、資金繰りが難しくなると、決まって周辺に影響が及ぶリスクも浮かび上がる。そうなるとメインバンクが適宜、債権放棄や債務減免をしながら私的整理をうまく進める。これが日本的な問題企業の整理法である。
したがって、日本企業のクレジットリスクを分析する際には、財務内容だけでなくメインバンクとの関係や資本構成なども見ていくのが普通だ。さらに、当該企業の関係者や関連子会社が多い場合や、公益性の高い事業の場合には、いわゆるtoo big to fail(大きすぎて潰せない)という観点から国の支援も期待できる、という見方をしてきた。
ひるがえって、中国の場合はどうか。話題の中国恒大集団(以下、恒大)には中国ウェーで対応するのではなかろうか。ここでいう中国ウェーとは、当該企業の債務デフォルトは想定内でも、ほかへ影響をもたらさないようにするという完全切り離しの手法である。そう考える理由は以下のとおりだ。
第1に、事態は中国政府のコントロール下で進展している。恒大の危機は足元の金融市場を混乱させたとはいえ、9月以降に突如浮上した問題ではない。中国政府が恣意的にバブル抑制を試みた政策の一環として、浮上した面が否めない。
2020年8月、中国政府は「大手不動産開発業者の融資に関する監督と管理規則」を通知した。①前受金を除くベースでの負債比率を70%以下にする、②純負債資本比率を100%以下にする、③短期有利子負債に対する現預金比率を1倍以上にする、といういわゆる「3つのレッドライン」を引き、負債比率の削減を求めたものだ。この基準の達成へ向け、採算割れも辞さずに販売を拡大したことが、中国不動産セクターの傷口をより広げる形になったといえる。
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