仮想通貨というのは虫が好かなかった。価値の安定が通貨の命なのに、ジェットコースターのように価格変動する。オタクたちのマネーゲームだろう、と思っていた。が、宗旨変えした。きっかけは銀行で初めて海外送金の手続きをしたことだ。驚いた。
孫が韓国のR女子大学のハングル講座を受講する。その授業料を振り込むために最寄りのM銀行の支店を訪れた。ものの4〜5分で手続きが済むだろう、と高をくくっていた。どっこい、「当支店ではお取り扱いできません」。隣の市のK支店に行け、と言う。車で優に30分かかる。行くと「前もって電話で予約してください」。改めて来店する際は、孫との関係を証明する戸籍謄本、住民票を持参せよ、と仰せつかった。
お客より金融庁が大事
いわゆるマネーロンダリング(資金洗浄)防止のために厳重な手続きが定められているのだろう。だが、かれこれ四十有余年、M銀行をわが家のメインバンクにしている。貧しい資金の出入りは隅から隅までご存じのはず。第一、送金額は18万円ポッキリなのだ。
ようやくK支店で手続きする段になって、さらに驚いた。
いかにも有能という感じの行員が「相手先の住所もご記入ください」とおっしゃる。「えっ、R女子大の指定銀行と口座番号を書けばいいんじゃないの。住所を書くまでもなく、韓国では誰でも知っている有名校だよ」という抗議は歯牙にもかけてもらえない。
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