SDGsに関する取材や発信に熱心に取り組んでいるのが、ジャーナリストの国谷裕子氏である。私たちはなぜSDGsを達成しなければいけないのか。国谷氏に聞いた。
──SDGsに関わるようになった経緯から聞かせてください。
NHKの「クローズアップ現代」のキャスターをしているとき、2015年の国連総会において、SDGsが採択されるということを知った。しかし、極めて重要な議題であるにもかかわらず、耳にしたことがない言葉だった。SDGsとはいったい何?ということから勉強と取材を始めた。
国連での取材で印象深かったのは、現在の副事務総長である、ナイジェリアのアミーナ・モハメッドさんの話だった。SDGs取りまとめのキーパーソンである彼女によると、経済問題と社会問題、環境問題のすべてが底辺で密接につながっている。それぞれが連関し合うことを意識しながら、統合的に問題を解決しないといけない。そうでないと、格差や不平等のような世界全体の不安定さは解決せず、地球は持続可能にならない。彼女はそのように力強く語った。
今後10年間が分岐点
──生き方を変える必要がある?
SDGsが合意された背景には、豊かさを求めてきた私たち自身が生み出した地球の劣化がある。大量生産、大量消費、大量廃棄が地球に大変な負荷をかけている。急速に進む劣化を超えるようなスピードで変革を行わなければ、地球は人間の生存を維持できなくなる。
地球環境の劣化の進行を制御できなくなる限界値、「ティッピングポイント」という言葉がある。そこを超えないうちに社会や経済のシステムを変えないと……。地球よりも人間の力のほうが強大化した「人新世の時代」に聞こえてくるのは地球からの悲鳴にほかならない。地球のサステナビリティを取り戻せるかどうかの分岐点がこれからの10年間だ。
この記事は有料会員限定です
残り 572文字
